「最近の若い人は、すぐ仕事を辞める」
こんな言葉を聞くことがあります。
ただ、私はこの言葉だけでZ世代を一括りにするのは少し違うと思っています。
早期離職そのものが、必ずしも悪いわけではありません。
ブラック企業だったり、
心身を壊しそうだったり、
明らかに仕事内容が違っていたりするなら、
早めに環境を変えることが必要なケースもあります。
ではないと、私は思っています。
ただ一方で、
「もっと良い会社がありそう」
「今の働き方が嫌だから辞める」
という理由だけで転職を繰り返してしまうと、
将来的にキャリアが苦しくなることもあります。
実際、私のZ世代の後輩にも、
がいます。
最初の会社では、
新卒としてはかなり高めの年収約450万円でした。
決して悪い条件ではありませんでした。
ですが現在は、
最初の会社よりも低い年収で、
本人があまりやりたいと思っていない仕事を契約社員として続けています。
もちろん、
早期離職した人が全員こうなるわけではありません。
転職によって年収を上げたり、
理想の働き方を実現したりしている人もたくさんいます。
ただ、
この後輩の姿を見ていて、
私は強く感じたことがあります。
でも、転職の軸がないまま辞め続けるのは危ない。
ということです。
転職そのものが問題なのではありません。
大切なのは、
「次に何を得たいのか」
を自分の中で整理できているかどうかです。
転職は人生を大きく変える選択です。
だからこそ、
感情だけで判断するのではなく、
一度立ち止まって考えることも大切だと思います。
この記事でお伝えしたいこと
“`
・早期離職そのものは悪ではない
・ただし転職理由が曖昧なまま繰り返すと危険
・転職の軸を持つことが大切
・辞める前に「何を求めているのか」を整理しておく
この記事では、
私の後輩の実例をもとに、
早期離職を繰り返すリスクと、
辞める前に考えておきたいことについて書いていきます。
Z世代は本当に「すぐ辞める」のか?
すぐ辞めるのはZ世代だけではない
まず前提として、Z世代だけが特別にすぐ辞めるわけではありません。
厚生労働省の調査でも、新卒で就職した人のうち、3年以内に離職する人は一定数います。
2021年3月卒の大卒就職者では、
とされています。
※本記事の離職率データは、 厚生労働省が公表している新規学卒就職者の離職状況調査 を参考にしています。
つまり、約3人に1人は3年以内に会社を辞めているということです。
これは決して珍しいことではありません。
また、昔の世代が全く辞めなかったわけでもありません。
今はSNSや転職サービスの普及によって、
「転職した」
という情報が目に入りやすくなっただけ、という側面もあると思います。
だから私は、
とは思いません。
むしろ今の若い世代は、自分のキャリアや成長について真剣に考えている人も多いと感じています。
実際、OpenWorkの調査でも、Z世代の退職理由として最も多いのは 「キャリア・個人成長」 だとされています。
「もっと自分に合う環境で働きたい」
そう考えて転職すること自体は、決して悪いことではありません。
私自身も、 「仕事内容が違う」 「ハラスメントがある」 「心身に支障が出る」 のであれば、無理に続ける必要はないと思っています。
ただし、早期離職を繰り返すと話は変わる
一方で、注意しなければならないこともあります。
それは、
ということです。
企業は採用に多くのコストをかけています。
求人掲載費。
面接工数。
入社後の教育コスト。
だからこそ採用担当者は、
「転職理由に一貫性はあるか?」
「長く活躍してくれる人なのか?」
という視点で見ています。
私の友人も、3年間で5社を経験しました。
最初の会社は年収450万円ほど。
新卒としてはかなり良い条件だったと思います。
しかし、
「聞いていた仕事内容と違った」
「出社勤務になった」
「条件が合わなかった」
といった理由で転職を繰り返しました。
もちろん、一つひとつの理由は理解できます。
ですが結果として、現在は契約社員として働き、年収も最初の会社より下がっています。
私はこの姿を見て、
と感じました。
もし最初の会社でもう少し経験を積んでいたら。
もし転職前に「自分は何を求めているのか」を整理していたら。
今とは違う結果になっていたかもしれません。
ただし、辞める前に転職軸を整理することは大切。
私はそう思っています。
3年で5社を経験した後輩の話
なぜ3年で5社も転職することになったのか
私の後輩に、3年で5社を経験した人がいます。
彼は学歴も高く、最初に入社した会社も決して悪い条件ではありませんでした。
新卒時の年収は約450万円。
当時の新卒平均年収を考えると、かなり良い方だったと思います。
ただ、最初の会社では面接で聞いていた仕事内容と、実際に配属された仕事にギャップがあったそうです。
本人はそう感じていたようで、半年ほどで退職しました。
ここまでは理解できる部分もあります。
実際、求人票や面接の説明と実態が違うケースは存在しますし、本人にとって大きなストレスだったと思います。
そして次に選んだ会社は、年収も上がり、本人が希望していた仕事内容にも近かったそうです。
学歴やポテンシャルがあったからこそ、転職自体も比較的スムーズだったのでしょう。
しかし、その会社も長くは続きませんでした。
理由は働き方です。
もともとテレワーク中心だった環境が、会社の方針変更によって出社中心へ変わりました。
それが嫌で、再び退職したのです。
その後も、
・働き方が合わない
・条件が合わない
という理由で転職を繰り返していきました。
もちろん、一つひとつの理由には本人なりの事情や考えがあったと思います。
ただ結果として、彼は3年で5社を経験することになりました。
そして現在は、最初の会社よりも低い年収で、本人があまりやりたいと思っていない仕事を契約社員として続けています。
本人も時々、
と愚痴をこぼしています。
その姿を見て、私は考えさせられました。
最初の会社をもう少し続けていたら、違う未来もあったのではないか。
もちろん、これは後からだから言えることです。
当時の本人には本人なりの苦しさや悩みがあったはずです。
ただ、少なくとも言えるのは、
ということでした。
早期離職が悪いのではなく「軸がない転職」が危ない
ここは誤解してほしくありません。
私は、早期離職そのものを否定したいわけではありません。
むしろ、辞めた方が良いケースもあると思っています。
・長時間労働が常態化している会社
・パワハラやハラスメントがある環境
・明らかに求人内容と違う仕事をさせられている場合
こうしたケースでは、無理に続ける必要はないと思います。
いわゆるブラック企業については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
「石の上にも三年」という言葉があります。
ただ、どんな環境でも3年耐えれば良いという意味ではありません。
問題なのは、
だと思っています。
仕事内容が嫌だから辞める。
次は出社が嫌だから辞める。
今度は条件が合わないから辞める。
このように転職のたびに理由が変わると、自分の中の判断基準が見えにくくなります。
結果として、
が分からないまま転職を繰り返してしまうことがあります。
私はこれが一番危ないと思っています。
ちなみに私は、どちらかというと「石の上にも三年」派です。
少し古い考え方かもしれませんが、ある程度続けてみないと見えてこない景色もあると思っています。
この考えについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
辞める前に考えたい3つのこと
辞める前に考えておきたい3つのこと
早期離職を考えるときは、勢いで決める前に、一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
私自身、転職を経験してきましたし、周囲にも転職を繰り返した人を見てきました。
その中で感じるのは、
だということです。
もし今、転職や退職を考えているなら、最低限この3つは考えてみることをおすすめします。
1.本当に辞める理由は何か
まず大事なのは、辞めたい理由を言語化することです。
意外と多いのが、
「なんとなく合わない」
「なんとなくしんどい」
という状態です。
もちろん、その感覚自体は大切です。
ただ、そのまま辞めてしまうと、次の会社でも同じことで悩む可能性があります。
例えば、
・人間関係が嫌なのか
・働き方が嫌なのか
・評価制度が嫌なのか
・成長できないことが嫌なのか
こうして分解して考えると、自分が本当に不満に感じているポイントが見えてきます。
理由が曖昧なまま辞めると、転職後も同じ悩みを抱えやすくなります。
2.次の会社で何を実現したいのか
転職を考えるとき、多くの人は今の不満をなくすことに意識が向きます。
もちろん、それも大切です。
ですが、それだけだと転職はうまくいきません。
本当に大切なのは、
を考えることです。
例えば、
・年収を上げたい
・働き方を改善したい
・人間関係を重視したい
・将来のキャリアにつながる経験を積みたい
など、人によって優先順位は違います。
ただ、その軸がないまま転職すると、
を繰り返してしまう可能性があります。
転職はゴールではなく、あくまで手段です。
だからこそ、
を明確にしておくことが大切だと思います。
3.今の会社で得られるものは本当にないのか
辞める前に、一度考えてみてほしいことがあります。
それは、
ということです。
例えば、
・職務経歴書に書ける実績は作れないか
・今辞めるより、少し経験を積んでからの方が有利ではないか
こうした視点で考えてみるのも大切です。
もちろん、
健康を犠牲にしてまで働く必要はないと思います。
ただ、まだ余裕があるのであれば、
辞めるタイミングを少し工夫するだけで、次の転職が有利になることもあります。
私は早期離職そのものが悪いとは思いません。
ただ、
のではなく、
という考え方の方が、後悔しにくいと感じています。
まとめ|早期離職は悪ではない。でも繰り返す前に立ち止まった方がいい
早期離職は、決して悪いことではありません。
実際に、合わない会社を早めに離れたことで人生が良い方向へ進んだ人もいます。
心身を壊してしまうくらいなら、無理を続けるよりも環境を変えた方が良いケースもあるでしょう。
私自身、
だとは思っていません。
ただ一方で、転職の軸がないまま短期間で辞め続けてしまうと、キャリアが苦しくなることもあります。
今回ご紹介した後輩は、3年で5社を経験しました。
最初の会社は、新卒としてはかなり良い条件だったと思います。
年収も約450万円ありました。
しかし転職を繰り返した結果、現在は最初の会社よりも低い年収で、本人があまりやりたいと思っていない仕事を契約社員として続けています。
この話から学べることは、
ということではありません。
むしろ大切なのは、
だと思っています。
自分は何が嫌なのか。
何を大切にして働きたいのか。
次の会社で何を実現したいのか。
そこが曖昧なままだと、転職しても同じ悩みを繰り返してしまう可能性があります。
辞めることは逃げではありません。
ただ、
は、少しずつ自分の選択肢を狭めてしまうことがあります。
だからこそ、早期離職を考えている方には、一度立ち止まって考えてみてほしいです。
・次に何を得たいのか
・今辞めることは、本当に未来の自分のためになるのか
この3つを整理するだけでも、転職の見え方はかなり変わると思います。
この記事が、早期離職で悩んでいる方や、今後のキャリアについて考えている方の参考になれば嬉しいです。
